震災復旧・復興の最新技術としてレーザー距離計を利用した多点同時変位計測システムが採用されました


レーザー距離計による多点同時変位計測システム


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< 震災復旧・復興支援となる新技術のプレスリリース

3月11日(金)に発生しました大規模な震災により被災された皆様に謹んでお見舞い申し上げます。

震災発生から既に4ヶ月が経とうとしておりますが、未曾有の災害は大きな傷跡を残し、まだまだ復旧・復興への道程は長く険しいものと思われます。
直接被災していない我々が支援できることは、利用機器や施工が廉価で迅速な導入が出来て誰でも操作できるシステムを提供することだと思います。

2011年7月1日(金)に飛島建設株式会社の本社にて、日経BP社・日刊工業新聞社をはじめメディア各社に対してレーザー距離計による安全監視システムの事前説明会とプレスリリースが行われました。

レーザー距離計による安全監視システムは、弊社が以前より開発していたBluetooth通信によるレーザー距離計のリモート制御システムを基に、飛島建設株式会社様のトンネル工事施工現場における導入事例において共同開発して参りました。

当技術は、1台のレーザー距離計をリモート操作して簡易計測することもできます。 これにより、危険な現場近くに立ち入ることなくカンタン・正確に対象物までの距離や高さを計測することができます。
また、壁や瓦礫が障害物となって直接計測できない場合でも、チルトセンサーによる間接測定により高さや斜めの長さを測定することができます。

トンネル切羽での事例のとおり、複数台のレーザー距離計を1秒間隔で連続して対象物に対してレーザー照射することにより、擁壁・橋脚・橋梁や地盤の挙動を監視することができます。
連続した変位を監視することで、対象物の安定度を知るとともに変位をチェックして崩落や落盤事故を事前に検知し、現場で作業する方々の安全確保に寄与できるものと信じております。







 ■ 切羽・鏡面の崩落・崩壊挙動を予知し、作業の安全を確保

 ■ 警報・警告灯による作業員への注意喚起

 ■ カンタン・迅速な移設・機器増設に対する測定環境設定

 ■ 変位量・変位速度による安定性比較測定

 ■ 非接触による簡易計測による安価な導入コスト


≪ システム構成および監視画面と監視状況ステータス ≫







飛島建設株式会社様のプレスリリースより

安価で、多点同時にリアルタイム連続計測できる切羽安全監視システムを開発

〜レーザー距離計を用いた多点同時変位計測による安全で効率的なトンネル施工を実現〜

飛島建設株式会社(社長:伊藤寛治)は、株式会社ムーヴ(社長:吉田誠一)と共同で、岩塊の抜落ちが発生しやすい亀裂性地山や鏡吹付け等の切羽補強工が必要な不良地山に対して、安全な切羽作業や効率的な対策工を実現するための「切羽安全監視システム」を開発しました。この度、度々切羽崩壊が発生した強変質塑性地山や未固結地山におけるトンネル現場等に適用し、その有効性・実用性を確認しました。

【技術の概要】

山岳トンネルの施工では、未固結地山や断層破砕帯等の脆弱地山に遭遇し、作業中に切羽崩壊が発生することがあります(写真-1)。近年、切羽マーキングシステムや坑内計測(A計測)で用いられる自動追尾型トータルステーション(以下、自動追尾型TSと記す)により切羽押出し量を一定間隔で計測することが可能となっています。
しかしながら、自動追尾型TSによる計測では、1測点の計測に5〜10秒を要し、例えば4測点で切羽を計測する場合、各測点で20〜40秒間の未計測期間(監視していない空白の時間)が発生し、岩塊の抜落ち前の予兆を見逃してしまうリスクがありました。
これに対して、建設現場での簡易測量に使用される安価なレーザー距離計を用いて、複数台のレーザー距離計を遠隔制御する技術を応用し、切羽押出し量等の地盤変位を1秒間隔で多点同時に連続計測する「切羽安全監視システム」を開発しました(図-1、図-2参照)。

本システムでは、システムの機動性を考慮し、パソコンと機器間の通信はワイヤレスとし、計測用パソコンに計測データをリアルタイムに転送し、変位量や変位速度等の物理量を演算処理します。そして、あらかじめ設定した管理基準値(注意、危険、限界の3レベル)を超えた場合、警告音や警告灯により切羽作業員に対して即時に注意喚起します。

切羽の不安定な不良地山や崩壊性の地盤において、「切羽安全監視システム」を押出し量や地盤挙動の計測監視に適用することにより、変位の発生をリアルタイムに検知し、従来より課題であった迅速に多点同時の地盤変位量を計測することが可能となります(表-1参照)。
これによって、以下の通り、山岳トンネルの安全性向上、支保工や対策工の品質および経済性の確保が期待できます。

切羽崩壊の予兆を検知して、切羽作業、退避等の安全行動を的確に実施できる。
切羽全体の変位量を面的に把握して、切羽補強工(鏡吹付け、鏡ボルト)の効果を定量的に評価し、対策工の規模の増減や実施範囲区間を合理的に設計・施工できる。
ハンディなレーザー距離計をワイヤレス環境で使うため、施工が簡単で導入工程が従来の自動追尾型TSに比べて25〜30%に短縮できる。
導入コストは従来の30%程度と安価(計測期間6ヶ月で試算)。
同一現場内や他現場への移設が簡単で、機器の増設や測定環境設定は専門知識が不要。

表1 レーザー距離計による多点同時計測の特徴

自動追尾型TS レーザー距離計
変位計測のアウトプット
3次元変位
変位量のみ
計測精度 ±1〜3mm程度 ±1mm以内
測定時間 5〜10秒/測点 最小1秒/測点
多点計測への適用性 測点が増えるとリアルタイムの同時計測が困難 1台の計測用PCで最大8測点までの同時計測可能

【今後の展開】

平成23年5月以降、当社で施工中のトンネル工事現場(圏央道笠森トンネル作業所)で、未固結地山での切羽補強工施工時の安全管理や坑口切土法面の動態監視に適用し、現場計測管理での有効性確認を行い、さらなる改良・改善を行っていく予定です。
危険な箇所に立ち入ることなく、非接触で、取扱いの簡単な機器を使い、測定対象物の変位量を多点同時に連続計測できることから、切羽安全監視だけでなく、以下の分野への展開も期待できます。

トンネル切羽以外の土留め、切土、盛土などの地盤挙動のリアルタイム計測監視
近接施工を伴うコンクリート構造物(擁壁、橋脚、橋梁)のリアルタイム影響計測

今後は、建設現場の情報化施工に活用するとともに、自然斜面の動態観測等、「防災のトビシマ」としてのモニタリング技術のツールとしても積極的に活用していきたいと考えています。


【「切羽安全監視システム」の適用事例】

<事例1> 東北中央自動車道 大笹生トンネル工事
強変質塑性地山の道路トンネル工事における切羽押出し量の監視事例。
<問題点> 熱変質により脆弱化した地山において、切羽崩壊が度々発生したため、切羽押出し量を連続計測して、押出し量が収束状態に至るかを定量的に監視する必要がありました(写真-2)。
<対 策>
レーザー距離計は、削孔装薬やロックボルトの施工に用いるドリルジャンボのアウトリガーに設置し、計測用PCや異常値発生を注意喚起する警告灯はドリルジャンボの運転席に常設しました。
<効 果>
鏡吹付け施工前からの切羽押出し量を連続計測することで、押出し量及びその収束性を把握し、切羽の安定性を評価することができました。
 
図-3では、鏡吹付け後に押出し量は収束傾向にあり、安定状態になったと判断できます。
 


<事例2> 圏央道 笠森トンネルその4工事
地下水位下の未固結地山での道路トンネル工事における切羽押出し量の監視事例。
<問題点>

天端安定対策として、6mの施工サイクルで、鏡吹付け後に注入式長尺鋼管先受工を施工する。
先受工ではウレタン系注入材で地山改良するため、注入圧や切羽の緩みに伴う鏡面の崩壊を常時監視する必要があった(写真-3)。

<対 策>
先受工施工中の鏡面全体の押出し量をレーザー距離計4台を用いて連続的に多点同時計測した(写真-3)。
<効 果>
注入時に4mm程度の切羽押出しは発生したが、押出し挙動は間もなく収束し、鏡面は安定状態を保っていることを定量的に把握できた(図-4)。
 
なお、鏡ボルト等の鏡補強工を実施する場合、鏡押出し量の大小をブロック毎に評価することで、押出し量が大きいブロックは打設密度を密に、小さいブロックは打設密度を疎にすることで、より効果的な補強対策が可能になります。


 
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